「おはよ」 「うん」 いつしか白くなった吐息を纏い、俺達はいつも通り校門の前で顔を合わせた。 中間テストの間はほとんど暗黙の了解のように会うのを避けるから、こうしてこいつに会うのも実に数日ぶりになる。 何となく不思議な気がするけど、それで結構長い間上手くいっているから、俺はあまり気にしていない。 「どーだった?」 「ん……まァ、あんなもんだろ」 「ふーん」 尋ねてきたくせに、特に興味なさげな様子で呟くこの男は、少なくとも俺よりは勉強ができる。 とはいえ、学年トップとかそういう、ありがちな秀才君というわけでもない。まァ、五十歩百歩とでもいう感じだ。 校庭を突っ切る間、俺達の間に会話らしい会話はない。 たとえ空間が数日ぶりのものであっても、そういうところはやはり普段と何も変わらないのだ。 (雰囲気5詞:雪/02.淋しいなんて言わない) steadfast→wintry |