海 -sea-
 いつか還る日がくる。
 髪を乱す風も、寄せ返す波も。
 或いは全て、とても慕わしいものなのだ。
 祈りの声さえもやがて消えていく。
 いつかくる還る日―――海へ。
 どうかその時が、あの人に優しくありますように。

私にとって、海は、はじまりとおわりの交錯点。
空よりも近しい、似通った世界。還る場所。とても遠く、いとおしく慕わしく。
『海』という字を下さった方へおくります。