清 -pure-
 音もなく清かに夜は更け、終わりなく続く静寂に横たえた身体はまるで俯瞰するかのように漂っていた。
 まるでつくりもののような綺麗な世界。
 何も掴めないと知りながら、願わくは何処かに届くようにと手を伸ばす。
 それはあの人の横顔。
 或いはおしまいの時。

さようならを告げる術を、いつしか失ってしまった事に気付く。
そんな日が来なければいい。叶わないと知りながら。
閑凪千弦様へおくります。