淡 -faint-
 夜明けが好きだという声は歌うように。
 優しく胸に染みて、静かに形を成さずに消えていく。
 君との日々はそういうもので、君の面影もまた、そう。
 淡く灯る未来がどうか。
 君が好きだと言った、あの夜明けのように優しくあるように。

夜咲きの花は朝を知らないのだろうか。
否、そんなはずはない。世界はこんなにも淡く光に満ちているのだから。
いっき様へおくります。