凛 -dignified-
 真っすぐに立つ、あの人の後ろ姿を覚えている。
 声をかけるのも憚られるほどの空気を纏い、凛と強く、真っすぐにあの人は立っていた。
 どうしてそれほどの鮮烈な印象を受けたのかはわからない。
 けれど、思うのだ。
 あの瞬間にはもう、あの人はすでに決めていたのだ、と。

どうか揺るがず、惑わず、偽らず。それは哀しいまでの強さと気高さ。
そうありたいと願い、けれどそうはあれない自分を知っているのです。
緤儚理夜様へおくります。